4 日々、自己変革をして生きよ

  「空を飛べなくなった。野、ガモ」の話

 百年以上前の人になりますが、デンマークのキルケゴールという哲学者は、こんな話を紹介しています。

 その国のある地方には、毎年、渡り鳥の野ガモが飛んでくる所があり、親切な老人が餌付けをしていたそうです。
ところが、栄養のある餌をもらえるものだから、野ガモたちの一部は、寒くなったら南の方へ飛んでいくという習性を忘れ、だんだん太っていき、飛べなくなってしまったといいます。

 ところが、ある日、その親切な老人がコロッと亡くなってしまったのです。それで大変なことになりました。
実は、太った野ガモたちは空を飛べなくなっていたため、「さあ、困った。どうしよう」ということになったのです。彼らはすでに渡り鳥の習性を失ってしまっていたわけです。

 そして、雪解け水が洪水のように流れてきたときに、溺れて死んでしまったということです。

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