パウロはテモテに、
「これからは水ばかり飲まないで、胃のために、また、たびたび起こる病気のためにも、少量のぶどう酒を用いなさい(1テモテ5:23)」と言いました

当時だけでなく、現在でもイスラエルでは、風邪を引いたとき等にグレープジュースを飲むことを勧めます。滋養のためです。
イスラエル人の医者は、風邪のときにアルコール飲料を勧めたりしません。
レストランでも、またナイトクラブでさえ、ワインと同じ瓶で出てくるものがありますが、ワインではなくグレープジュースです。

そして、ぶどう汁が七日経つと、また別の壷または皮袋に入れます。この時に、「新しいぶどう酒」と呼ばれました。
40日間以内のぶどう酒は、「注ぎのささげもの」として主へのささげ物の一つとして使用しました。
その後にその発酵の速度が速くなり、ささげ物としては用いません。
そして、過越の祭りのときに用いられたぶどう酒は、三分の一を水で薄めました。
発酵されたアルコール飲料ではないように、念を入れていたのです。

もっとも長く保管されたぶどう酒は当時せいぜい3年間でした。
その後はみな破棄しました。「古いぶどう酒」と呼ばれているものは、少なくても一年間は経っているものです。

このように「ぶどう酒」と呼んでいるものは、現在のワインの定義と異なります。
ここ箴言30章1節に出てくる「強い酒」は、いわゆる現在の「ワイン」の範疇に入ります。
したがって、「聖書では酔いしれてはいけないとだけ書かれているだけで、酒自体を禁じてはいけない。」という意見は通用しません。

現在定義されている「酒」は、アルコール飲料のことを指しているからです。