碧巌録(へきがんろく) 第4則?  徳山到イ山(とくさん いさんにいたる)
 
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垂示:
晴天白日(せいてん はくじつ:青空に太陽が輝く)、更に東を指し西を劃すべからず(おちゃをにごしてはいけない)。時節因縁、また須(すべか)らく病に応じて薬を与うべし。
しばらく言え、放行(ほうぎょう、しゅたいせい、じゆう)するがよき、把定(はじょう:びょうどう)するがよき。

垂示の現代語訳
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晴天白日、からりと晴れた青空のようなこの境地は、無一物の禅の世界と言える。
そのような境地に於いて、東を指し西を劃すような差別や対立はない。
悟りも迷いも乗り越えた世界である。
しかし、それは如何に尊いといってもそれだけでは一面観に陥る。我々が生きる現実の世界は「時節因縁」の世界で、過去・現在、健康・病気、悲・喜が入り混じった差別の世界である。
そのような現実の世界では病に応じて薬を与えるようなことをしなければならない。
それでは一体「放行」で自由放任にするのが良いだろうか。
あるいは、「把定」ということで対立・差別を許さず、否定や絶対平等の世界(無差別平等)にいるが良いのだろうか。

試(こころ)みに挙(こ)す看(み)よ