碧巌録(へきがんろく) 第73則? 馬祖先四句百非 

挙(こ)す
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ある時、僧が馬祖大師に尋ねた、「すべての理論や四句論理を離れて、私に 禅の究極のところ(西来意)を示して下さい」。
馬祖は言った、「私は今日は、ぐったりとくたびれているのでだめだ。智蔵のところに行って聞いてくれ」。

僧は、智蔵のところに行って尋ねた。
智蔵は云った、「何で老師に聞かないんだ」。
僧は云った、「和尚は、あなた(智蔵)のところに行って聞けと言われました」。
智蔵は云った、「あいにくおれは今日は頭痛がして休んでいるところでだめだ。懐海(海兄)のところに行って聞いてくれ」。

僧は懐海兄に尋ねた
懐海は云った、「実はわしも、そこがわからんで困っているんじゃよ」。
僧は師匠や兄弟子達にタライ回しされて元の馬祖大師のところに戻って来た。
馬祖に以上のことを報告すると、馬祖は云った、「どちらもどちらじゃのう」。   』


僧が馬祖大師に問います。 『四句を離れ、百非を絶し、願わくば、私に西来の意を直指して下さいませ』。
馬祖云く、『儂は今日疲れておるので、お前の為に説くこと出来ず。 知蔵 (ちぞう) に聞いてみよ』。

僧、知蔵に問う。 知蔵云く、『何でそんなこと和尚に聞かないのだ』。
僧云く、『和尚様が貴方様に聞けと申されました』。
知蔵云く、『儂は今日頭痛がしてならん。お前の為に説くこと出来ず。 海兄 (かいひん/懐海) に聞かれよ』。

僧、海兄に問う。
『儂もこのところは分からんのじゃ』。

僧、馬祖に事情を報告す。
馬祖大師云く、『知蔵は白く、海兄は黒し』。? 』


⇒ 説明などできない、不立文字である。
  不立文字であるがゆえに、真理さとりである。