碧巌録(へきがんろく)  第52則?趙州石橋(じょうしゅう しゃくきょう)
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挙(こ)す
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僧、趙州に問う、「久しく趙州の石橋と響く。到り来れば只だ略シャク(りゃくしゃく)を見るのみ」。
州云く、「汝、只だ略シャク(りゃくしゃく)を見て、且つ石橋を見ず」。
僧云く、「いかなるかこれ石橋?」。
州云く、「驢(ろ)を渡し馬(ま)を渡す」。
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略シャク(りゃくしゃく):丸太橋。
護惜:後生大事に護って生きる。
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本則:
ある僧が趙州に聞いた、「私は久しく有名な趙州の石橋を響(した)っていました。しかし、来てみれば只だの老いぼれ爺さんじゃありませんか。」
趙州は云った、「お前さん、わしのシワ面だけを見て、石橋を見ていないようだな。」
僧は云った、「それでは石橋とは何ですか?」
趙州は云った、「驢馬や馬を渡すよ。」

〇 唯嫌揀択(ただけんじゃくをきらう)、好き嫌いをしない、である。