2018年7月25日 01時41分
国と県に賠償求め提訴 名古屋、暴行無罪の男性

 マンション建設の反対運動中に暴行容疑で逮捕され、起訴後に無罪判決が確定した名古屋市瑞穂区下坂町、薬剤師奥田恭正さん(61)が
24日、誤った捜査で精神的苦痛を受けたとして、国と愛知県にそれぞれ550万円の賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。

 訴状によると、奥田さんは2016年10月、瑞穂区内のマンション建設現場前で、現場監督の50代男性を突き飛ばし
ダンプカーに接触させたとして県警に逮捕され、名古屋地検に暴行罪で起訴された。

 だが、名地裁は今年2月、防犯カメラの映像などから「暴行の事実を認める証拠はない」として、無罪を言い渡した。

奥田さんは県警や名地検がこの映像を見誤ったため、不当に逮捕、起訴されたと訴えている。

15日間の勾留中に県警に採取された指紋やDNAなど、個人データの消去も国に求めている。

 県警は「訴状が届いていないためコメントを差し控える」とし、名地検は「未確認のためコメントできない」と答えた。

 奥田さんは同日、マンション建設会社と現場監督の男性に対しても、計1100万円の賠償を求める訴えを名地裁に起こした。
(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018072590014133.html