警官名挙げ「核心」証言 愛知県警捜査情報漏えい 博多金塊盗被告、法廷で
2017年12月01日 06時00分
 福岡市のJR博多駅近くで昨年7月に約7億6千万円相当の金塊が盗まれた事件で、
主犯格とされる野口和樹被告(42)=窃盗罪で起訴=の勾留理由開示手続きが30日、
福岡地裁(浦恩城泰史裁判官)であり、野口被告は「愛知県警の警察官から福岡県警の捜査状況を教えてもらった」と
証言した。
 事件を巡っては、愛知県警の複数の警察官が捜査情報を漏えいした疑いが浮上しており、
同県警は地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで調査を進めている。
 野口被告の意見陳述によると、昨年12月に金塊盗事件に絡んで指定暴力団山口組系
組幹部の男から脅迫され、知人を通じて知り合ったこの警察官に相談。
恐喝事件を立件するため協力を求められたという。
 その後、警察官と接触を重ねる中で「(昨年)12月に通信傍受法が改正され、
全国の警察が申請している。(来年の)2、3月に傍受が入るから気をつけて」「福岡県警が
10人態勢で入る」などの情報提供を受けたという。
福岡県警は3月2〜15日、通信傍受法に基づき野口被告らの携帯電話を傍受していた。
 さらに弁護人は、この警察官が「福岡県警が(金塊盗事件の)捜査対象を特定している」
として、野口被告を含めた複数の名前を伝えていたことも明らかにした。