市民を過激派に仕立てて市民の監視活動を行う。


岐阜県大垣市で風力発電が計画されていた2013〜14年、こんなことがあった。公安警察が、反対しそうな住民の個人情報を集めて事業会社に提供。
「今後情報をやりとりし、平穏な大垣市を維持したい」と持ち掛けた

▼会社側が作った打ち合わせ4回分の議事録に、農業の船田伸子さん(61)の名前もあった。
全国に顔が利く人物に仕立てられ、警官が「過激なメンバーが応援に入る」「危険を感じたらすぐ110番して」と会社側に「忠告」していた

▼議事録の存在は報道で明るみに出た。
警察の監視など考えもしなかった船田さんは驚いた。
そもそも風力発電に反対でさえなかった

▼知らない間に、実際とはかけ離れた虚像を警察が広めている不気味さ。
「安全のためという名目で萎縮させられ、自由に物が言えなくなっていく」と危機感を募らせる

▼国会で追及され、警察庁は「トラブルの可能性について、関係者と意見交換している。通常の警察業務の一環」と答えた。
全国で同じことをしていると明かしたに等しい

▼辺野古では、新基地建設に抗議する市民が拘束され身動きできなくなった後も、公安部門の警官に公然とビデオ撮影されている。

船田さんは言う。
「みんな、私は大丈夫だと思っているかもしれない。でも、あすはわが身でさえない。今、もう、わが身なんです」
(阿部岳)

http://www.okinawati...jp/articles/-/211348