https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092001146
福岡市で2016年、7億5000万円相当の金塊が盗まれた事件で浮上した愛知県警の警察官による捜査情報漏えい疑惑について、県警は20日、漏えいはなかったとする見解を明らかにした。
捜査対象とされた県警中署の男性巡査部長(30)が容疑者周辺に伝えた内容は、職務で知り得た捜査情報に該当しないと判断したという。
この巡査部長については、別事件の捜査情報を漏らした上、飲食接待を受けていたことが判明。県警は地方公務員法(守秘義務)違反容疑で巡査部長を書類送検し、停職6月の懲戒処分とした。
金塊窃盗事件では、愛知県警の複数の警察官が捜査情報を漏らした疑惑が浮上。
巡査部長が犯行グループのリーダー格、野口和樹被告(43)=窃盗罪で公判中=と近い関係にある男性会社役員(36)に「愛知(県警が捜査を)やってました」と伝えたLINE(ライン)などが明るみに出た。
しかし県警によると、巡査部長は捜査に関与せず、推測を伝えただけで、捜査情報の漏えいには当たらないと結論付けた。
県警は一方、巡査部長が16年、会社役員に大麻事件や暴力団事件の捜査情報を漏えいしたなどとして書類送検。
同役員からステーキ店で食事を提供されていたが、贈収賄容疑の立件は見送った。当時の上司3人は本部長注意とした。
松田英視首席監察官は「警察の信用を失墜する行為で、厳正に処分した」とのコメントを出した。