生活保護を受給していた三重県四日市市の男性(64)が、保護を打ち切る廃止処分により精神的苦痛を受けたとして市に賠償を求めた訴訟の判決が20日までに、津地裁であった。

 岡田治裁判長は請求を一部認め、市に慰謝料5万円の支払いを命じた。判決は15日付。

 判決は、廃止処分を通知した文書に処分の具体的理由が記載されていなかった点について、違法と判断した。弁護団によると、詳しい理由を示さずに保護を打ち切るケースは各地で相次いでいるという。

 判決によると、市は2014年に男性の生活保護を決定したが、「指導・指示に従わないため」として、具体的理由を示さないまま16年3月に保護廃止処分を決めた。

 判決で岡田裁判長は、月に2社以上の企業面接を受けることなどを求めた市の指示に男性が違反していたものの、「程度が悪質だったとは言えない」と指摘。保護の停止より重い廃止処分を選択する場合について、「原因となった事実関係を具体的に記載することが求められる」との判断を示した。 

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