まずは、歌の素晴らしさ。「初恋」を初めて聴いた時は、涙が滲んだ。誰でも経験のある淡い想い、思い出すとせつなくなる青春の1ページを、短い歌詞で見事に表現した名曲。他の歌もそうだが村下は言葉の使い方が絶妙で、その光景がありありと浮かんでくるような詩を書く。放課後の校庭を走る部活のお下げの中学生(あくまでも私のイメージ、私にとって「初恋」は中学生が主人公)、踏切が開くのを待つ人混みの中から背伸びして手をふる 普段着の女性(ロマンスカー)など。ありふれた日常のひとコマが、本当に心に残る。何度聴きかえしても、その都度その世界に浸って、何とも言えない気持ちになったものだ。
2つ目は、見た目。昔ネットなどなかった時代に深夜放送で見た村下は、グッチ裕三かと思った。
3つ目は、喋り。その深夜放送で、村下は早口で延々喋っていた。画面にはテロップで「?この人は、"初恋""踊り子"などで有名なあの村下孝蔵さんです」とずっと出ていた。私以外にも「?!」と思う人は、多かったのだろう。
そして、最後にこのクズエピソード。
村下孝蔵の元奥様のサイト
どちらの言い分が本当なのかは今となってはわかりませんが、ここに書かれていることが本当なら酷すぎる。
私は2ちゃんのまとめブログが好きで、そこでは本当なのか？と思ってしまうような体験談が多く書かれているのだが(創作も多分に混ざっているとは思う)、まさにそんな内容。村下の両親は、所謂「毒親」というやつで、村下はちゃんと話し合うこともなく妻子ではなく両親を信じて選んでしまう。
奥さんの里帰りを狙っての両親の不意討ちの引っ越し、舅の筆跡で書かれた離婚届が送られてくる、慰謝料も養育費もゼロなだけでなく離婚後も続く嫌がらせ、挙げ句の果てに嘘八百書かれた自叙伝…もう数えダブル役満かと。
離婚後再婚した女性も最終的には家を追い出されているし、すげえ親だなあ。それでも村下にとっては、親だったんだな…。
そういうのを知った後でも、私は村下の歌は好きだ。でも以前のような気持ちでは、口ずさめなくなってもいる。 毒親、思い出すらも破壊する。恐ろしや。
