>>379
ちょっと筆が止まってしまいました
「ミリちゃん先生」再開します

第6部(2)…ミリは振り返っていた。
思えば少女の頃は、この鹿児島の町の風景や自然から奔放に歌を作っていた。
しかし青春時代は受験勉強に費やした。高校受験の失敗から自分は何者にもなれないかも知れないという怖さがあったからである。
ミリにとっての鹿児島とは、「音楽を諦めた町」でもあったのだ。

ミリは気づいた。自分がこの町に忘れたままにしていたのは「少女の頃の自分」であると。
ミリはあの頃の感覚を思いだそうと一生懸命になった。それと共に、自分の中に曲が沸き上がってくる。

鹿児島と東京を行ったりきたりしながら、ミリは『菜種時雨』などの一連の故郷から曲想を得た作品を納めたアルバム『やまとなでしこ』を完成させた。

(次回へつづく(頑張ります))