2015/04/14
【MLB】球速低下が指摘される田中将大。問題はそこではない [転載禁止]c2ch.net
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近年のメジャーリーグでは、ピッチャーの球速が年々増しています。
アメリカの球速測定器システム『ピッチ・エフエックス(PITCH f/x)』の発表によると、
先発投手の速球は、2007年の平均時速が89.8マイル(約144.4キロ)だったのに対し、
2014年は91.4マイル(約147キロ)。ここ7年で約2.6キロも平均時速がアップしました。
ただ、それに比例するかのように、ピッチャーのひじの故障は増加しています。
その結果、じん帯まで損傷してトミー・ジョン手術をする選手も増えていきました。

そこで今、メジャー関係者の間で新たに提唱されつつあるのが、「トミー・ジョン手術を回避したければ、全力投球はするな」ということです。
今年3月にダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)を執刀したトミー・ジョン手術の権威、
ジェームズ・アンドリュース医師もこのように力説しています。

「常に100パーセントの力で投げてはいけない。ピッチャーの目的は、スピードガンで高い数字を叩き出すことではない。
いかに相手に点を与えないかだ。一流ピッチャーは速球のスピード差を広げ、ボールを動かす技術に長(た)けている」

つまり、常に全力で投げていると、必ずひじを傷めることなると、警鐘を鳴らしているのです。

また、他の専門家たちもひじを傷めないピッチングについて、「速球の最高時速と平均時速の差が大きいのが望ましい」と語っています。
その例として、2013年以降にメジャーで投げた先発ピッチャーのストレートの球速が紹介されていました。
アメリカのデータ管理会社『ピッチ・インフォ(Pitch Info)』のデータをもとに、3人のピッチャーを取り上げてみましょう。

まずは、デトロイト・タイガースのジャスティン・バーランダー。彼の速球の最速は100.3マイル(約161.3キロ)で、
平均が94.2マイル(約151.5キロ)。その差は6.1マイル(約9.8キロ)です。
もうひとりは、ヤンキースのCC・サバシア。最速97.4マイル(約156.7キロ)、平均92.0マイル(約148キロ)で、
その差は5.4マイル(約8.7キロ)です。
そして3人目が、ワシントン・ナショナルズのマックス・シャーザー。彼
は最速99.4マイル(約159.9キロ)、平均94.2マイル(約151.5キロ)で、その差は5.2マイル(約8.4キロ)でした。

バーランダーは今年初めて故障者リストに入ったものの、原因は右上腕三頭筋を傷めたもので、これまでひじの故障はありません。
昨年まで8年連続で200イニング以上を投げています。
サバシアは昨年右ひざの炎症で戦線を離脱しましたが、彼もひじのトラブルはありません。
2013年まで7年連続で200イニングを投げていました。そしてシャーザーも、
過去にひじを傷めることなく5年続けて180イニング以上を投げ、ここ2年は200イニングを突破しています。

速球を武器とする本格派ピッチャーは、圧倒的にひじを傷めやすいと言われています。
しかし、球界を代表する彼ら豪腕ピッチャーは、いずれもひじを故障していません。
最高時速と平均時速の差を広げることによって、つまりストレートを常に全力で投げないことによって、
ひじを傷めずに選手生命を伸ばしているのです。

前出のアンドリュース医師は、先発ピッチャーが成功するカギとして、次の4つを挙げています。
「速球のスピードの変化」「ボールの動き」「コントロール」「安定したメカニック(投球フォーム)」。
ストレートのスピードを変化させ、ツーシームでボールを動かし、思ったところに投げ、
投球フォームを安定させることが大事だと語っています。
開幕戦後に田中投手も、「今日はメカニックが悪かった」と言っていました。
上記の4点さえしっかりできれば、たとえ150キロの球速を叩き出さなくても、おのずと結果はついてくると思います。

球速が上げれば、故障は多くなる。
昔は、藤田元司氏が言っていたように、下位打線のレベルが低く、
投手はそこでかなり力を抜いていた(平均球速が低くなる)