2012/12/17 8:18 pm
比例区での自民支持は限定的
http://realtime.wsj.com/japan/2012/12/17/%E6%AF%94%E4%BE%8B%E5%8C%BA%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%B0%91%E6%94%AF%E6%8C%81%E3%81%AF%E9%99%90%E5%AE%9A%E7%9A%84/?mod=WSJJP_Blog

16日の衆院選は自民党が単独で半数を大きく超える294議席を獲得、圧勝した。ただ、比例区では
得票数を前回から減らしており、圧倒的な勢いで勢力を盛り返しているわけではないことを裏付けている。

Bloomberg
自民党は3回連続で比例の得票数を減らしている

自民党の比例区の得票数は今回1660万票。前回2009年の1880万票から220万票減少した。
2005年の郵政選挙の2588万票と比べても1000万票近く減らしている。296議席を獲得して大勝した
05年衆院選の比例は77議席で、比例は今回20議席も少ない57議席にとどまった。

自民党関係者は公明党との選挙協力が進み、自民党支持者が比例で公明党に投票していると指摘する。
ただ、公明党の得票数は711万票で前回805万票から94万票減少。公明党の選対関係者は
同党に票が流れているとの見方には否定的な見解だ。

総務省によると最終投票率は59.32%(小選挙区)と、2009年の総選挙の69%を大きく下回っている。
投票率の減り方以上に自民党の得票数が減少したのは、単純に支持が広がらなかったためではないか、との声が党内からも聞かれる。

得票数から前日の総選挙を振り返ってみると、自民党の圧勝というよりも、民主党の瓦解という方が実態に近い。
民主党の獲得票数は960万票で、前回2009年の2984万票から今回は約2000万票減と、大きく減らした。
日本維新の会など第3極に流れたほか、投票率の低下が影響したとみられている。

国政進出の日本維新の会は、得票数は1220万票で民主党を大きく上回った。民主党は主に関西地方で支持を失った。
維新のおひざ元である近畿選挙区では民主党の3倍近くを獲得し、九州、四国、中国でも維新は民主を上回った。
これにより比例は民主党の30議席を上回る40議席を獲得、計54議席とキャスティングボートを握る存在に躍進した。
記者: 吉池 威
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