07年の都知事選に出馬した前宮城県知事の浅野史郎慶応大教授(64)も
「有権者のつかみどころのなさに戸惑った」と振り返る。浅野氏は県知事時代、情報公開と
公金支出の透明化で実績を上げた。一方の石原氏は当時、高額な海外出張など
「都政の私物化」が批判を浴び、都が出資する新銀行東京の巨額赤字も問題化していた。
ところが選挙戦で石原陣営が反省をアピールすると、批判は立ち消えた。170万近い票を得た浅野氏だったが、
石原氏は100万票以上も上回る280万超の票を集めた。

 「国政には関心があるが、都政に関心がないのが都民。映画スターのようなカリスマ性のある『首都の顔』を求めているんでしょう」

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 知名度やイメージで勝負が決まりやすい都知事選。今回は石原氏が猪瀬直樹副知事(65)を後継指名するという新たな要素も加わった。