論文に書いてある「kについて対称」ということをかみ砕いてみて、以下のような考えに至りました。

なお、ここ数日の慣例に従い、整数Nの素因数分解における素数pの次数をv_p(N)と表す。
[例えば 45=3^2×5 なので v_3(45)=2, v_5(45)=1, その他の素数pについて v_p(45)=0]

[前提]
1) 素数の完全数yの存在を仮定すると、v_p(y)≡1 (mod 4) となる素数pが一意に定まる。[yからpが定まる]
2) (1)で定まった素数pについて、pr=(p+1)/2 とすると、y は pr の倍数である。[pからprが定まる]
3) (1)と(2)で定まったp,prについて 2pr-1=p と言えるが、pr が素数ならば、pk≠pr となる y の素因数 pk について 2pk-1≠p である。

4) pk≠pr となる y の素因数 pk について 2pk-1=p′と置くと、[(3)より必ず p′≠p である]
  v_p′(y′)≡1 (mod 4) となる別の完全数 y′ が存在するかもしれない [その場合必ず y′≠y である]

で、ここからが言いたいことなんだけれども、

[主張]
5) (1)よりv_p(y)≡1 (mod 4) だから v_p(y)=4m+1 と置くことができる。
 同様に、v_p′(y′)≡1 (mod 4) だから v_p′(y′)=4m′+1 と置くことができるが、
 yとy′、pとp′がそれぞれ別物なので、m=m′ であるとは言えない。[証明されていない]
6) v_p(y)=4m+1 から 2m+1 が pr の倍数と言えたとして、同様の論理で、
  v_p′(y′)=4m′+1 から 2m′+1 が pk の倍数と言えたとしても
 2m+1=2m′+1 とは言えない。
 よって、これらを単純にひとまとめにして「2m+1 が Πpk の倍数である」とすることはできない。

いかがでしょう?