およそ専門書というものは、
「理解している人間」が
「まだ理解していない人間」に対して、
理解を促すために書かれているのだが、
「理解している人間は、まだ理解していない
人間に対する配慮が十分ではない」ように
思う。

これは数学ではなく航空工学の話だが、
「ベルヌイの定理」は航空工学における
最大の難所ではあるのだが、
「あれは、要するにエネルギー保存則であって、
『圧力損失+運動エネルギーの差+位置エネルギーの
差+熱損失』が、定常状態の流管における損失に等しい」
と言ってくれりゃあいいものを、と思うんだが、
そこに言及した航空工学の本というのは見た
ことがなくて、天下り的に「ベルヌイの定理」が
出てくる。

「数学の本は、そのあたりの配慮に大きく欠けては
いないだろうか?」、と思う。