「出離の道を求めるに非ずんば、一行たりとも読むな。」
岡先生のこの言葉は、本当に深く重い。
数学は、"出離の道"を求めることそのものということだろう。
論文が書きたいとか、周りから認められたいとか、
アカデミックポストが欲しいとか、早く教授になりたいとか、
権威ある賞を得たいとか、名声が欲しいとか、お金が欲しいとか、
高度な数学ができる人間として一目置かれたいとか、
専門外の数学がこんなにできるなんて、なんと頭がよいと驚かせたいとか、
ついでに数学の好きなかわいい女の子たちにもてたいとか、
そんな私利私欲や煩悩の塊のような、さもしい心しか持てないなら、
数学の論文や書物を一行も読んではならないという意味だろう。
まさに数学することの本質をついた名言だ。
必修科目の単位が欲しいとか、卒業したいとかは、それこそ言わずもがな。
内定もらったから卒業できないとヤバイので先生お願いしますは論外中の論外。
そんな邪な心しかないなら、たとえマセマでも読んではならないのだ。
本当に素晴らしい教えだ。しかし、逆に考えれば、出離の心で読むのであれば、
マセマのようなもので勉強しても良いことになる。
実に深い。さすが岡先生は素晴らしい。