学習項目で考えると
 Tu の "An Introduction to Manifolds" = 松本「多様体の基礎」+ 松本「トポロジー入門」
となっている。
 松本「多様体の基礎」で主に扱うのは、(1) 多様体の定義 (2) 微分形式 (3) Stokesの定理。
 松本「トポロジー入門」で主に扱うのは、(4) 弧状連結性 (5) 基本群 (6) ファンカンペンの定理。
しかし、Tu の本では、ファンカンペンの定理をアーベル化したモノに相当する (7) マイヤー・ヴィートリス完全系列 や (8) ド・ラーム コホモロジー にまで話が及んでいる。
この点で、Bott & Tu "Differential Forms in Algebraic Topology" への導入になっていて評価が高い。ここまで学習すれば複素多様体までスムーズに進むことができるし、さらに可換環を学べば代数幾何学へ進むことができる。
複素多様体からさらにリー群・リー環を学べば、その無限次元のリー群・リー環に相当するアファインリー群・アファインリー環が活躍するシンプレクティック幾何学、フレアーホモロジー、超ひも理論まではあと一歩。