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5. 聴衆のフラストレーション

最後の 2 日間は、聴衆にとってかなりフラストレーションが積み上がるものだった。例を示そう。

私たちは「これらの 2 つの対象が同型であるとしよう」だとか、あるいは「圏 D の 2 つのコピーを考え、
しかし異なるラベルをつけよう」といったような、意味不明に思える内容を繰り返し聞かされ続けた。
非常な苛立ちとともに何度も質問が出たが、こうした方針が最終的な目標を達成するために
重要となることが納得できるような具体例は提示されなかった。

しばしば私たちは p 進体の絶対 Galois 群が体論では生じないような自己同型を持つことに
注意を喚起させられたが、なぜそのようなエキゾティックな自己同型の存在が Szpiro 予想の証明において
重要なのかについての明快な説明はなかった。おそらく理由は簡単なものであるのだと思うが、
幾度も質問が出たにもかかわらず明確な回答はなかった(大抵「後でわかる」と言われたが、
結局わからなかった)。