高木氏が問題点を理解する様子が一向にないが、別の観点から指摘を試みる。

奇数の完全数が存在するならば、p≡n≡1 (mod 4) となる素数 p、奇数 n と
p 以外のいくつかの奇素数 pk と偶数 qk で p^nΠpk^qk なる素因数表示を得る(オイラー)。

完全数の定義から、約数関数σを用いると 2p^nΠpk^qk = σ(p^n)Πσ(pk^qk) であり、
(p+1)/2 | σ(p^n) であるから、いずれかの添え字 r について pr | (p+1)/2 となる。
これを示した上で、その r について pr^qr | σ(p^n) となりえないことから、
奇数の完全数は存在しえない、と結論するのが最近の論文の骨子であろう。

しかし、言うまでもなく pr^qr | σ(p^n) を示しただけでは不十分である。
pr^qr | σ(p^n)Πσ(pk^qk) を示せば十分と言えるが、現論文はそこまで踏み込んでおらず、
依然として論拠は不十分なままである。