>>483 つづき

カントール集合について
上記の4.はわざわざ3.を経由しなくてもいいのではないの?と思わなくもない。
つまり、「すべての閉集合は閉区間の列の可算個の和集合で表現される」でよい気もする。
しかし、「すべての閉集合は閉区間の列の可算個の和集合で表現される」は間違いである。

まず区間C0=[0,1]を3等分する。
真ん中の開区間(1/3,2/3)をくりぬいたC1=[0,1/3]∪[2/3,1]を作る。
さらに残っている区間をさらに3等分して真ん中の開区間をそれぞれくりぬく。
この操作を無限回行ってできた集合C∞をカントール集合という。

くりぬかれた部分全体はいくつもの開区間の和集合であるので開集合である。
開集合の補集合は閉集合であるため、C∞は閉集合である。

このカントール集合にはどのような数が含まれるかを考えてみる。
C0には3進小数表示したときに0.xxxx...となる数がすべて含まれる。
C1には3進小数表示したときに0.0xxx...となる数と0.2xxx...がすべて含まれる。(3進小数表示したらすべての小数は0と1と2で構成される。真ん中をくりぬいたので0.1xxx...は含まれない)
というように考えていくとC∞には3進小数表示したときに1を含まないすべての数をとびとびに含む。
とすると、カントールの対角線論法を使ってC∞の要素数は非可算無限個の和集合であることがわかる。

つまりC∞は閉集合だが閉区間の列の可算個の和集合で表現できない集合となる。

コンパクト性について
同様に、「すべての開集合は開区間の列の可算個の和集合で表現される」は間違いなのではないか?と思うが、これは誤りではない。
「すべての開集合は開区間の列の可算個の和集合で表現される」は実数の性質であり、この性質は実数のコンパクト性から導くことができる。(詳細は略)

(引用終わり)

つづく