ちなみにバババっと正確に訳してみると以下のようになる

Inter-universal Teichmuller 理論入門 Fucheng Tan

この一連の講演で、望月新一氏の Inter-universal Teichmuller 理論(通称 IUT)の主結果と重要な技術的ポイントについて説明する。
最後に、IUT理論の応用として双曲的曲線に対する ABC/Vojta 予想の証明のスケッチも与える。
IUT では、数ある技術的データの中でもとりわけ数体 F 上の適切な楕円曲線 E と素数 l を出発点とし、etale theta 関数の理論で用いられる特定の双曲的曲線に関するデータの組を研究する。
特に双曲的曲線に対する遠アーベル幾何学と etale theta 関数は IUT の基礎を形成している。

楕円曲線および etale theta 関数の様々な幾何学的・数論的な情報は、いわゆる Hodge 劇場と呼ばれる対象の中に記録される。
より具体的には、Hoge 劇場は特定の双曲的曲線のカスプたちにより表現される楕円曲線の ℓ-torsion の商に付随する二種類の対称性を保持するように設計される。
その一つは乗法的対称性と呼ばれ、これは対応するカスプの集合が E のモジュライの体の絶対ガロア群の部分商として自然に同一視されるものであるため、数論的な特質を持つ対称性である。
もう一つは加法的対称性と呼ばれ、これは対応するカスプの集合が E と l によって決まる双曲的曲線の幾何学的基本群の部分商として自然に同一視されるものであるから、幾何学的な特質を持つ対称性である。