2018年1月号の講評です。

■出題1:レベル6〜7(常連正解率50〜70%)
[ノーヒントならレベル9〜10(常連正解率0〜10%)]

2n個の点からランダムにn個の区間を選ぶとき、
すべての区間と交わる『支配区間』がk個以上できる確率を問う問題。
親切にもヒント付きなので苦労しつつも解けた人が多いのではないでしょうか。
果たしてこの問題をノーヒントで解ける読者がいるんだろうかと思いますね。
あんな解法は100年かかっても思いつけない自信が私にはあります。
世の中には恐ろしく頭の良い人がいるものです。
良い問題、良い解法、凄い数学者、いろんな出会いのある良問でした。
エレガントな別解があるのか、解答編も楽しみです。


■出題2:レベル7〜8(常連正解率20〜40%)
[ノーヒントならレベル9〜10(常連正解率0〜5%)]

『強正則グラフ』というワードを知っている人はヒントにたどり着けたでしょう。
しかしヒント付きでもグラフの数え上げ、もっといえばuniquenessの証明は決して簡単ではないです。
そんなわけでレベルは7〜8程度と高めです。
ノーヒントなら限りなくレベル10(正解者0〜1人レベル)です。
特にn=9, n=10の一部のグラフを自力で探すのは無理ゲーではないか。
仮に探せたとしてもその唯一性を示すのがまた無理ゲー。
ヒント付きでも解答をきちんと記述するのは大変です。

一見とっつきやすそうな問題だけにノーヒントで突き進んだ人も多いと思いますが、
早めに情報収集して武装するのが吉という問題でした。
ノーヒントで解けた人は大いに自慢してよいと思います。
はっきりいってイチ数学ファンのレベルを超えていますから。
あるいは武装せずともエレガントに解けるんでしょうか?

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2問とも
・オリジナリティがなく他所で情報を拾えてしまう
・ヒントがなければ超難問である
・ヒント付きでもそこそこの難問である
という共通項がありました。
ある意味悪問と言えなくもないですが、
両問とも我を忘れて熱中できる面白さがありました。
ゆっくり時間を取れる冬休みの宿題としては良いレベルだったと思います。