生麦に在るお嬢さんの自宅までは徒歩でおよそ20分掛かること
立派な一戸建てに住んでること、庭で大型犬を飼ってること
表札を見てお嬢さんの苗字を知ってることなどは、自白剤を投与されても言う訳にはいかない。
それを知られれば間違いなく「すごーい、1は最低だね」とザキにあたる即死呪文を詠唱されるから。
何も知らないふりをしながら散歩がてらお嬢さんを送る自身に軽い嫌悪感を抱いた記憶がある。

「送ってくれてありがとー、また遊んでね」と
屈託のない笑顔で自宅に入って行ったお嬢さんの後ろ姿を視姦する自身に対して
極度の嫌悪感を抱きながら、寒空の下独り帰路についた。