政府は8日、マイナンバーの情報ひも付けに関する総点検の中間報告を公表した。マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」に別人の情報がひも付けられたとみられるケースが、新たに1069件あると発表した。これまでにマイナ保険証のひも付けミスは7372件が明らかになっており、今回と合わせ計8441件となった。

 また、処方された薬などの個人情報が、誤ってひも付けされた他の人に閲覧されたケースは新たに5件判明し、計15件となった。

 岸田文雄首相は4日の記者会見で、2024年秋に予定する健康保険証の廃止時期は当面延期しないと表明。国民の不安払拭(ふっしょく)策として、マイナ保険証に切り替えない人全員に、既存の保険証の代わりとなる資格確認書を申請不要で発行し、有効期限を当初予定の「最長1年」から「最長5年」に延ばすと説明した。

 共済年金のひも付けの誤りは118件見つかった。内訳は地方公務員共済組合が112件、国家公務員共済組合連合会が6件。118件とも年金支給額への影響はなかった。

 障害者手帳については、237自治体のうち50自治体が住民基本台帳ネットワークシステムなどで情報を照会する際、適切な方法で個人を特定していなかった。ほかの自治体もひも付けが正確でない可能性があるため、すべての自治体のデータを総点検する。