今までとは規模も内容も違う初めてのTPP協定、試算や6条件に対する方々からの問題の指摘
誤訳の可能性がある膨大な量の合意文書、生きている協定、至るところに例外や適用除外が散在している
各々調べて判断お願いします


環太平洋パートナーシップ(TPP)協定を読む
−「Web解説TPP協定」の開設にあたり−

http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0442.html

複雑怪奇なTPP協定


このように重層的な文書で構成されるTPP協定だが、これを読む作業はその複雑怪奇な構造ゆえに骨が折れる。
その困難さのほんの一例を挙げておきたい。


膨大な文書の山

膨大な文書の山:包括的かつ締約国が多いTPP協定はともかく長い。仮訳の最終頁は「2889」とある。
しかしこれで協定本体の全てではない。
実は我が国が恩恵を受ける他の11の加盟国による国別の約束(関税譲許表、ビジネス関係者の一時的な入国(12章)や
政府調達(15章)の国別約束など)や留保については翻訳が全て省略されており、正文(英、仏、西)では更に数千ページの
協定本文がある。(略)


例外はどこに?:どんな条約にも義務に対する例外が定められているが、TPP協定の場合、その所在を探すことは一苦労だ。
たとえば内国民待遇・市場アクセス(2章)、投資章(9章)の場合、例外規定は遠く離れた例外章(29章)にある。
国有企業章(17章)はもっと複雑だ。
上記の例外章の適用があるにもかかわらず、17.13条に別の例外規定がある。更に、その他にも個別条文の中や適用範囲規定
など協定の至るところに例外や適用除外が散在している。


TPP協定を理解しよう −「Web解説TPP協定」のサイト開設−


こうしてみると、TPP協定はタチの悪い消費者金融かマルチ商法の契約書のようで、とても読むに耐えない。

しかし、その内容は貿易・投資にとどまらず、医療、食品安全、自動車の安全・環境基準、保険、ネット上の

消費者保護など、市民生活に直接関係のあるイシューにも関わることから、我々はその内容を正しく知る必要がある。
(続く)