自分の仕返しではないが、ある人がしてた仕返しに気付いていながらわざと見逃した事がある。

都内の支店にいた頃、おかっぱ頭の変わったオッサンが会社近辺に出没するようになった。
営業所内の皆から「ボブ」と命名されたそのオッサンは無職だったらしく、
昼食帰りとか外回りから帰社する時など平日昼間によく遭遇した。
見かけるたびにボブはいつも無意味にニタつきながら自転車で徘徊していたが、
別に人に危害を加えることもなかったので次第にみんなボブの存在に慣れてしまい、
K支店周辺風景の一部と化してもうネタにすることもなくなった。
しかし同僚達の中に、いつまでもボブを馬鹿にしてわざと当人に聞こえるよう
声を張り上げて嘲笑したり罵声を浴びせたりしていたAという同期の男がいた。
Aは当時、美人の嫁と結婚して新興住宅地に一戸建てを買ったばかりで
幸せの絶頂にいた仕事の出来るイケメンだったのに、
なぜボブにそこまで絡んで嫌がらせをするのか解せなかった。

長いのでちょっと切る。