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>福島県で梅毒患者が急増中 Japan In-depth 社会 投稿日:2018/6/1
>上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)「上昌広と福島県浜通り便り」

>福島県で梅毒が増えている。2016年の人口10万人あたりの梅毒患者数は3.63人。
>これは東京都、大阪府に次いで第3位だ。2014年まで全国で40位以下だったが、急増した。
>状況は現在進行形だ。今年5月1日、いわき市保健所は4月22日現在の梅毒患者数が20人であると発表した。
>ここ10年で最悪のペースだ。2014年、いわき市内の感染者はゼロだったが、2015年以降に急増した。
>なぜ、福島県で梅毒患者が急増したか、正確な理由はわからない。今後の研究が必要だ。

>私が注目しているのは、 S N S と の 関 連 だ。意外かもしれないが、福島県はSNSが盛んな地域だ。
株式会社モニタスが 全 国 の 2 , 8 3 0 人 を 対 象 に イ ン タ ー ネ ッ ト で 調査したところ、
>福島県の フェースブック 利用率は47.5%で全国1位だった。全国平均の33.6%を大きく上回る。
> インスタグラム の 利用率は39.0%で、富山県、愛知県についで全国3位だ。
>全国平均は27.0%で、福島県は最下位の石川県(18.0%)の2倍以上である。

>おそらく梅毒は氷山の一角だ。福島県では梅毒を含む、多くの性感染症が増加していると考えた方がいいだろう。
>性感染症の増加は先進国に共通の現象であり、特に深刻なのは不妊をもたらすクラミジア感染症だ。 S N S と の 関 連 が議論されている。

>英米のクラミジア対策は、日本より圧倒的に進んでいる。日本では、このような対策はないし、そもそも信頼に足る統計データがない。
>性病対策は難しい。欧米で徹底した対策を施しても、なかなか減少しない。特に近年、状況は悪化している。どうしてだろう。
>なぜ、ここまで徹底した対策をとっても、クラミジアの感染率は減少しないのだろうか。どうして、近年、急増しているのだろうか。
>前述したように研究者が注目しているのは S N S だ。特にティンダーをはじめとするマッチングアプリ(出会い系アプリ)の普及だ。
>日本でティンダーのユーザーが増加したのは2015年の春とされている。福島県で梅毒が急増した時期と一致する。
>日本でのユーザー数は公表されていないが、出会い系アプリに詳しいジャーナリストは「20代、30代の半分以上は利用していると思います」という。

>米国のジョナサン・マーミン博士はニューヨークタイムズ紙のインタビューで、
>「ティンダーのような出会い系アプリの登場は、性感染症増加の 原 因 か も し れ ま せ ん 。
>ただ、現時点では、その 影 響 は 証 明 さ れ た 訳 で は あ り ま せ ん が 」と答えている。

>性感染対策は一筋縄ではいかない。若者の性への関心は尽きず、時に「冒険」する。読者の皆さんもご経験がおありだろう。
>一方、SNSは益々発展し、そのネットワークは国内に留まらない。性感染症が蔓延しやすい状況だ。
>どうすればいいのか。「特効薬」はない。正確な状況を調べ、社会で共有していくしかない。地道な活動を積み重ねるしかない。

>この記事を書いた人 上昌広 医療ガバナンス研究所 理事長
>1968年生まれ。兵庫県出身。灘中学校・高等学校を経て、1993年東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部附属病院で内科研修の後、
>1995年から東京都立駒込病院血液内科医員。1999年、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
>専門は血液・腫瘍内科学、真菌感染症学、メディカルネットワーク論、医療ガバナンス論。東京大学医科学研究所特任教授、
>帝京大学医療情報システム研究センター客員教授。2016年3月東京大学医科学研究所退任、医療ガバナンス研究所設立、理事長就任。

もともと 「 血 液 内 科 」 「 腫 瘍 内 科 」 がご専門のようですが、
多方面にわたり医療論を唱えられ、震災後5年ほどでずいぶんとご出世なさって・・・