原発事故はヨーロッパ近代の敗北であった。

ヨーロッパ人は自然を人間が克服すべきもの、
管理すべきものと見なして、
手段として、科学技術を発展させ、
人間の理性が崇拝され、
唯物論がはびこり、結果、物質的な豊かさを幸福の尺度と見なすようになった。
結果として、大量消費が推奨され、
自然破壊や公害を生み出し、遂には原発が爆発するに至った。
結果、世界は人間が生きるのに適さなくなりつつある…

原発事故はこのヨーロッパ近代に対して不信を起こさせるのに十分であった。
理性の崇拝にとってかわりつつあるのが理性を排除したカネメや権力の崇拝。
次いで、反理性としての民族主義的傾向である。
どうも原発事故によるヨーロッパ近代の敗北をうまく利用している層がいるようだ。
しかも、カネメ・権力崇拝も民族主義的傾向の層も原発は推進だったりするのである。

第三勢力として自然回帰の層があり、
自然との共生を唱え再生可能エネルギーを押すが
少なくとも日本において政治的には主流派たりえていないようだ。

無論、ヨーロッパ近代の崇拝を継続している層もいるが、もはや多数派たりえないだろう。