台風19号の急速強化? どうやら海の表層海水で温度の高い部分が以前より深い部分まで広がっているようだ

以前も何度か紹介したが、地球環境、地球の気候に大きな影響を与える要因として「熱塩循環」という大きな海流がある
過去の地層から当時の気候を考察する、という学問の分野があるのだが
「熱塩循環」はその分野の学者が発見し、現代の地球環境でも続いている事が確認された

ただ、最近の気候の激変からすでに「熱塩循環」が相当弱っているのではないかと考えられ
今回報じられた台風19号の急激な勢力拡大、その要因であるとされる表層海水温の分布の変化は
「熱塩循環」が弱まっている一つの証拠といえる

「熱塩循環」の詳細は各自で確認願いたいが、北太平洋における熱塩循環による流れというのが
南極から北極へ海底を北上する流れと、北極付近で上昇した海水に押されて起こる
北太平洋表層を北から南およびインド洋方面へ向かう流れである

表層海水温の分布を見る限りだと、日本海から対馬を通って中国方面へ流れる部分は温度が低く
日本列島の太平洋側は総じて表層海水温が高いようだ
これは熱塩循環のうち、北太平洋を南下する流れが弱まっていることに加えて
すでにその傾向が数年続いていた結果ではないか、と考えられる

赤道付近の太平洋で太陽光から熱を受け取る表層海水の温度が上がる、熱塩循環が強ければ北から来た表層海水が
赤道付近の海水と混ざって温度を下げる効果があるだろう
熱塩循環が弱くなったことで、温度を下げる効果が弱くなってしまった、ということである
そして、この状況が数年続いた結果、赤道付近の表層海水温の高い部分がより深い部分まで広がっているのだろう

台風が発達する過程で、表層海水が少し深い海水とかき混ぜられ温度が下がり台風の勢力が抑えられる
台風19号は風でかき混ぜられる深さの海水の温度が表層とあまり違わなかったために温度が下がらず急速に台風が強くなったようである

海水温を下げる、というのは技術的にも要求されるエネルギーの面でも人類に対応する術がない
つまり日本では今後、より強い台風が来る前提で建築物の強度等を見直す必要が出てくるだろう