セント・ヘレンズ山で最大M3.9 地震群発 ‘80年の大噴火以来2番目の大きさ 2018年01月04日 12時24分@ハザードラボ


米ワシントン州のセント・ヘレンズ山周辺では2日以降、最大マグニチュード(M)3.9を筆頭に地震が相次いで発生している。セント・ヘレンズ山は1980年の
大噴火で山体崩壊を起こし、2004年にも活発化している。

米地質調査所(USGS)は「M3.9の地震は、1981年以来2番目に規模が大きい」として動向を注視している。

USGSのカスケード火山観測所によると、セント・ヘレンズ山周辺では、今月2日以降、体に感じない微弱な地震が急増している。

日本時間3日午後5時36分には、体に感じるM3.9の地震を観測し、これまでに発生した地震の回数はすでに15回を超えた。震源の深さはいずれも10キロ前後と
浅く、USGSの火山観測所によると、今年に入ってからこれまでに発生した地震の合計は、50回を超えたという。

1980年5月18日に大噴火したセント・ヘレンズ山は、山体崩壊によって山頂部分を失い、3000メートル近かった標高が2550メートルに減少。この影響で大量の
土砂がなだれ落ち、200棟近い建物と47本の橋を消失し、57人が死亡した。

活動は1986年まで続いたが、2004年9月に再び、山頂直下を震源とするM1未満の微小地震が相次ぎ、10月に大噴火している。

USGSは今回の群発地震について「これまでのところ、火山活動と直結している兆候はとらえていないが、M3.9は1981年以降にセント・ヘレンズ山周辺で
発生した地震のうち、2番目に規模が大きい」として、監視態勢を強化している。

http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/3/2/23299/1280px-MSH82_st_helens_plume_from_harrys_ridge_05-19-82.jpg
1980年の大爆発で山体崩壊が起きた後に、溶岩ドームが出現したセント・ヘレンズ山(1982年の撮影/USGS/Wikimedia Commons)

http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/3/2/23299/img535.jpg
1980年の大噴火のようす(撮影:Mike Doukas/USGS)

http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/3/2/23299/stherens.png
最大マグニチュード3.9の地震は、山頂から北東へ6キロほど離れた地点で観測された(USGS)