◆事故賠償3000万円求め

二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故による風評被害で損害を受けたとして、日本椎茸農業協同組合連合会(藤枝市)が、東京電力に損害賠償金など約三千万円を求めて静岡地裁に提訴した。提訴は六月十三日付。

同連合会は全国から出荷されたシイタケを卸す市場を開き、取引手数料などを得ている。

訴状によると、原発事故以降、静岡県など十三都県で栽培されたシイタケから食品衛生法の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、賠償の対象となった。
この影響で全国的にシイタケの価格や取引量が落ち込み、同連合会が二〇一三年から一五年にかけて得られるはずだった取引手数料など約一億円が得られなかった。

東電は、このうち七千二百万円を賠償したが、同連合会は文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が示した賠償の指針に基づき、差額を支払うべきだと主張している。

代理人弁護士は「東電の賠償額の計算方法には合理的理由がない」と話した。東電は「訴訟内容については回答を差し控える。請求や主張を詳しく聞いて真摯(しんし)に対応する」とコメントした。

配信2017年9月29日
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170929/CK2017092902000093.html