原発事故後の超音波検査で発見された若年者の甲状腺がんの成長パターンの解析(福島県民健康調査から)
http://fukushima-mimamori.jp/publications/2017/12/000471.html

平均観察期間は6ヶ月。腫瘍が増大した群と、縮小した群、変化がなかった群で、年齢、性別、腫瘍径、観察期間、
血液検査の指標に有意な差はありませんでした。モデル解析では腫瘍の体積は観察期間に応じて増大しておらず、
腫瘍の成長速度は一次検査の腫瘍が小さいもののほうが早いことが明らかとなりました。

これらの解析結果から、若年者の甲状腺がんは初期に成長する時期の後に成長が停止するパターンを取ることが
想定されました。甲状腺超音波検査は、若年者の多くで成長が停止する甲状腺がんを発見する可能性があります。
診断後の患者さんの長い人生を考えた時、過剰診断を抑制するためには、低リスクがんが疑われた場合、
すぐに診断をせず長期間注意深く経過を観察して判断していくことが必要であると考えられました。