1.予防的内服のタイミング
 重大な放射線汚染が予測される状況で内服を行う。通常は、行政機関がそのタイミングを発表するべきであるが、現体制でははなはだ疑問である。
・原発周りの震度6強の地震
・高さ5メートルを超える津波の発生
の報道を目にした場合は、内服開始することが望ましいと考える(自己責任)
ヨウ素剤を内服することにより甲状腺癌の発癌を予防することができるが、それ以外の被曝を防ぐ効果はない。内服後は、できるだけ被曝を避けられるよう、当該地区から避難する必要がある。(ヨウ素剤の内服はあくまでも一時的な予防に過ぎない)
(参考)被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤「ヨウ化カリウム丸」を飲むことによって被曝を阻止できる率は、 下記の通り。
 服用が12時間前=90%
 服用が 直前  =97%
 服用が1時間後=85%
 服用が3時間後=50%
2.服用対象者
 成人、乳幼児、全て(特に年齢制限は設けない)
ただし、以下の者は除外する
・ヨウ素過敏症の既往歴のある者
・造影剤過敏症の既往歴のある者
・低補体性血管炎の既往歴のある者または治療中の者
・ジューリング疱疹状皮膚炎の既往歴のある者または治療中の者
3.服用回数
 安定ヨウ素剤の効果は1日継続すると認められていることから、1日1回の服用で十分である。しかし、内服開始のタイミングは難しいため、2回に分けて内服してもなんら問題無いと考える。
4.服用量
・生後1カ月以上3歳未満  ヨウ素量25mg(ヨウ化カリウム量32.5mg)
・3歳以上13歳未満の者  ヨウ素量38mg(ヨウ化カリウム量50mg)
・13歳以上の者    ヨウ素量76mg(ヨウ化カリウム量100mg)
 おわかりでしょうか。直前に飲むのがもっとも効果的であり、それを逃すと効果が激減します。予防投与が非常に重要だと私は考えます。
イソジンガーグルでやむなく代用しようとしますと(あくまでも緊急避難的な措置)、
3歳未満・・・3cc
3-13歳・・・ 5cc
13歳以上・・10cc
となるでしょうか。繰り返しになりますが、あくまでも自己責任でご利用ください。外用薬を皮膚に塗ることによっても吸収され、ある程度の効果は認められます。