私たちはこれまで、引きこもりやセルフネグレクト、心の病気などをきっかけに社会から孤立し、そして誰にも看取られることなくこの世を去った故人の住まいを数多く清掃・整理してきました。
ご依頼されるご家族やご親族は決まって「まさかこんなことになるなんて・・・」と言葉を詰まらせておられます。

「もう少し気にかけてあげられたら良かった」「(心身や生活を)支えたくても、どうすればいいのかわからなかった」

聞こえてくるのは、ご家族のこれまでの苦悩の声。

私たちがご依頼主様と言葉を交わし、このような場面に遭遇することは幾度となくありました。

大人の引きこもり「8050問題」は、そのひとつです。「望まぬ孤独」に苦しみ、孤独死という結末にいたる事案は、今、急速に増えています。

2019年、40歳から64歳の引きこもり人口は推計数61.3万人。社会から断絶された「大人の引きこもり 8050問題」とは

「引きこもり」が社会問題として認識されたのは1990年代後半とされています。引きこもりという言葉には、若年層を対象としたイメージがつきまといますが、2020年代に突入した現代において、引きこもりは必ずしも若者だけの問題ではありません。

内閣府の実施した「生活状況に関する調査(平成30年度)」からは、40歳から64歳までの引きこもりが全国に約61万人いるとの推測ができます。