足下湧出の温泉が、先ず有難い。館内の落ち着いた雰囲気が良い。働く人も良い。料理も良い。
料理を主目的に、わざわざ遠くから足を運ぶ方々には申し訳ないが、美味いものの大体は都会にある。
旅館の料理は、地物であればそれで十分だと思っている。
一年の内、一か月近く温泉地に遊ぶ身としては、岩井屋の料理は値段の割に良い方だと感じている。
何度訪れても、その感想に変わりがない。
隣りの外湯に行く。今回は、いつになく人で混み合っていた。
分かってはいたが、こう人が多くてはこの温泉独特の良い香りも無し。
温泉は寛ぐものだが、湯船に人が多くてはそうはならない。
宿も同じで、客が多くてはそうはならない。客数とサービスは相反する。
地元の方々数人に聞くと、他の旅館に較べ岩井屋には、そのサービスにこだわりがあるようである。
しかし、我々は大体、仲居さんの手が回らない料金の高い休前日に宿泊することが多い。
高めの設定日でありながら、平日と同じサービスを望むのは難しい事だと思う。
今回、幸運にも日曜日泊だったので、しっかり寛げた。
汗が引くたび、何度も湯に浸かりに行く。もう何年も、連れが呆れるほどこれをやっている。
他の宿泊客とも話が弾むうち、何度も湯舟の独り占めがある。
至福の時が流れるうち、嬉しくなってまた次までを頑張ろうと。