住人が自殺した民家に検視に行った際、現金200万円を盗んだとして、兵庫県警捜査3課は21日、窃盗容疑で、捜査1課検視官室の警部補、山下洋司容疑者(49)を逮捕した。
容疑を認めているといい、県警は処分を検討する。

逮捕容疑は3月中旬から4月10日午前8時半ごろまでの間に、同県播磨町の無職女性(71)宅で、居間に置いてあった女性のかばんの中から、封筒に入った現金200万円を盗んだとしている。

県警によると、山下容疑者は3月27日早朝、ほかの捜査員らとともに計6人で民家に行き、約45分間にわたって自殺した住人男性の検視に携わった。
検視は1回で終了しており、県警は山下容疑者がこの間に現金を盗んだとみている。

4月10日に被害に気づいた女性が翌11日、県警加古川署に「3月中旬以降に現金がなくなった」として被害届を提出し、県警が窃盗事件として捜査を開始。
女性宅に検視に行った6人に当時の活動状況の報告書を提出させ、順番に事情を聴いていた。
山下容疑者は21日午後から事情を聴かれる予定だったが、同日午前に犯行を名乗り出たという。

女性方には18日、「ガレージの棚に200万円を返した」との匿名の電話があり、ガレージ内から封筒に入った200万円が見つかった。
山下容疑者が被害を回復するために置いたとみられるという。