河村市長に「賃上げ勧告尊重を」 名古屋市人事委員長

 名古屋市の河村たかし市長が、職員の今年度の給与を引き上げるように求めた市人事委員会の勧告を拒否する方針を明らかにした
のを受け、人事委の栢森(かやもり)新治委員長は6日、河村市長と会い、改めて勧告を尊重するよう求めた。
ただ、河村市長は考えを変えない方針を示し、議論は平行線をたどった。

 河村市長は一律に給与を上げる勧告を拒否する一方、代案として行政職員の平均年収605万円を下回る職員の給与を上げ、同水準
以上は下げる考えを示している。
栢森委員長は「(代案は)全般的な給与水準の引き上げとならず給与勧告の尊重とはならない」との考えを説明した。

 栢森委員長は「市長は職員のトップでもある。市長のために仕事をする意欲が失われる」と語り、職員の士気を保つためにも勧告
尊重を求めた。河村市長は「給与を引き上げるのは企業の一部。子どもの貧困が広がっている問題もある」と語り、公務員の給与を
一律に上げるべきではないという考えを再び強調した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD06H1O_W4A101C1CN8000/