出井康博 / Yas Idei
@yasidei
https://twitter.com/yasidei/status/1726875544158105665
Wedge 2023年12月号
なし崩し的に移民大国化する日本
台湾から学ぶべきこと
出井康博 ジャーナリスト
ttps://wedge.ismedia.jp/common/dld/pdf/680d471c9a1c1079f75074c9a002eb87.pdf
 一方、日本の厚生労働省に当たる台湾労働部によれば、「中級熟練人材」は今年9月末時点で1万6466人を数える。
「中級熟練人材」と特定技能「2号」は無期限の就労を認める点では重なる。ただし、重要な違いもある。
 特定技能「2号」では、家族帯同の条件が特に設けられていない。台湾の「中級熟練人材」の場合は、過去1年間の
平均月収が5万3000元(約24万6000円)以上あることが条件だ。最低賃金の約2倍で、「扶養家族の生活を支えられる
よう」(台湾労働部担当者)考慮した条件なのだという。とはいえ「月収5万3000元」は高いハードルだ。台湾の中堅都市
で外国人労働者の受け入れを担当する20代の自治体職はこう話す。
「私の知る限り、月収5万3000元も稼いでいる外国人労働者などいません。私は公務員ですが、給与は月4万元ほど。
単純労働者の外国人にはクリアが困難な条件です」
 日本の特定技能外国人の賃金は、「日本人が同等の業務に従事する場合の報酬額と同等以上」(出入国在留管理庁)
が保証されている。だが、実際には実習生と変わらない賃金レベルの職種もある。
 たとえば特定技能で最多の5万3282人(全体の約31%)が働く「飲食料品製造業」だ。

 長期間働いたところで賃金は大きく上がるわけでもない。それでも「2号」を取得すれば、配偶者や子どもを日本へ
呼び寄せられる。その結果、起きることは目に見えている。

 台湾は外国人労働者の引き留めを図りながらも、家族帯同には高いハードルを設けている。
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