>>656
私は物事を大きく考えるのが好きだ。子供の頃からそうしてきた。どうせ何かを
考えるなら、大きく考えたほうがいいい、私にとってはごく単純な理屈だ。大抵の
人は控え目に考える。成功すること、決定を下すこと、勝つことを恐れるからだ。
これは私のような人間には、まことに都合がいい。

私はギャンブルが好きだと思われている。だが私はばくちを打ったことは一度もない。
私にとってばくち打ちとは、スロット・マシンをする人間にすぎない。私はスロット・
マシンを所有するほうを好む。賭博場の経営はもうかる商売なのだ。

私は積極果敢な考え方をすると人は言う。だが実際には、私は消極的な考え方を良しとする。
商売ではきわめて慎重なほうなのだ。つねに最悪を予想して取引にのぞむ。最悪の事態に
対処する方法を考えておけば、つまり最悪を切り抜けることができれば、何があっても大
丈夫だ。うまくいく場合は、放っておいてもうまくいく。

私は融通をもつことで、リスクを少なくする。一つの取引やアプローチにあまり固執せず、いく
つかの取引を可能性として検討する。最初は有望に見えても、大抵の取引には何か不都合な点が
出てくるからだ。さらに一つの取引にのぞむ場合、これを成功させるための計画を少なくとも
5つ6つは用意する。どんなによく練った計画でも、途中で何が起こるかわからないからだ。