宅配クライシス 物流起業家に勝機
ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO39205040Q8A221C1TCR000/
 宅配クライシスと呼ばれる状況のなか、今年も年末商戦を迎えた。ネット通販で増える荷物、深刻になる人手不足。
難題にみえる。だが、誤解を恐れずに言えば、良い面もあると私は思う。テクノロジーで物流を変革しようという
ロジスティクス起業家が続々と生まれているからだ。
 商品探しや広告、決済はネットやスマートフォン(スマホ)によってデジタル化したが、物流はアナログのまま。
だからこそ挑みがいがある。そう考える上ノ山慎哉氏が2012年に設立したスタークスは、通販会社に代わって商品を
管理し発送する。全国の倉庫と提携し、消費者に近い場所から届け、長距離輸送を避ける。人工知能(AI)で需要を
予測し在庫の量を調整する。
 機械学習などを使い、どの車がどこをどんな順番で回れば最適か、配送ルートを割り出すスタートアップもある。
一見地味な物流がAI活用の最前線にいる。
 ドライバーを疲弊させる再配達問題にも起業家は切り込む。イーパーは家の外に置いた専用バッグに荷物を入れ
配達完了とするサービスを手がける。「盗難の少ない日本の治安の良さを生かす」と代表取締役の内山智晴氏。
SPACERはスマホで開け閉めできる安価なロッカーを各地に設置し、自宅に縛られず都合のいい所で荷物を
受けとるしくみを編み出した。
(続く)