ゼネコンが自らの手で招いた「建設業の衰退」
外国人を入れても職人不足は解消に向かわず
ttps://toyokeizai.net/articles/-/58981
 「製造業なら、工場労働者がトヨタ自動車の正社員になれるが、建設業では名前も聞いたことのない下請け業者にしか
入社できない。しかも給与が製造業より1割以上も安い。若者が建設業に就職しないのは当然。業界に危機感が足りない」。
国交省のある幹部も警鐘を鳴らす。

建設労働者の処遇改善が一向に進まないワケ
10年がかりで取り組むプロジェクトの弱点
ttps://toyokeizai.net/articles/-/59079
 職人(技能労働者)不足が常態化している建設業界(関連記事「ゼネコンが自ら招いた建設業の衰退」)。対策として
国土交通省が打ち出している方針が「技能労働者の処遇改善」と女性活用を含む「担い手確保・育成」だ。
 このうち技能労働者の処遇改善は建設業者に対して、適切な賃金水準の確保と年金、医療、雇用の3つの社会保険への
加入率アップに努めさせるものだ。たとえばゼネコン(総合建設会社)の下請け建設業者では、社会保険の加入率が6割以下
となっている。国交省には「社会保険にも加入できない業界に就職する若者を集めるのは難しい」という危機感がある。

建設現場の外国人「処遇改善」で日本人と大差
建設キャリアアップシステムで何が変わるか
ttps://toyokeizai.net/articles/-/276176
 約330万人の建設技能労働者と外国人技能労働者(技能実習生含む)にID(本人確認)カードを保有させ、就労履歴データを
蓄積・管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」が2019年4月から運用を開始した。
 深刻化する人手不足対策として導入されたが、開始直前になって外国人技能労働者への加入義務付けをめぐって、一部の
建設業界団体から不満が噴出。労働者側からも「IDカードを保有するメリットが感じられない」との声も聞こえてくる。

 全建などに加盟する元請け建設会社にとって、下請け会社が抱える技能労働者の処遇改善はコストアップにつながる。
受注競争力を維持するために労務費を抑えたいのが本音。建設労働者の社会保険未加入問題が解決しないのも、未加入労働者
を使ってコストを下げた下請け会社を使う元請け会社がなくならないからだ。
(続く)