必然か拙速か、外国人の国内就労(2)急増する外国人就労者の実態
雇用ジャーナリスト 海老原 嗣生
ttps://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXZZO4204233005032019000000

●生産年齢人口減少の1/3は、外国人の就労で緩和している!

 実は、データで見ると、外国人就労者は既に年20万人ペースで増加し急増しているのだ。いったい、どのように外国人が
就労しているのか。
 現在、日本には約146万人の外国人就労者がおり、就労者総数の2%強を占めている。2015年以降は毎年10万人以上も
増えているのがわかる。とりわけここ3年は、16年17万5873人増、17年19万4901人増、18年18万1793人増と、20万人に迫る
数字となっており、この数だけでこの間の生産年齢人口減少のほぼ3分の1をカバーしていることになる。
 2015〜2017年の3年間に就労増がどれくらいあったかで見ると、外国人は49万人で、高齢者の73万人、主婦の58万人に
ついで3番目に高いのがわかるだろう。

●在留資格別の就労数、「留学生」が最も増えている

 ここ5年間で就労数が増加した順に示すと、「留学生」が22.2万人で1番。続いて「身分に基づく在留」が17.7万人、技能実習
が17.2万人、専門的・技術的分野が14.4万人となる。これら4区分ごとに、どのように数字が伸びたのかを見ていこう。

●留学生は日本語学校生徒が最多。近年は大学よりも専門学校に進む

 まず、留学生だが日本学生支援機構のデータでみると、2018年5月時点で29.8万人が在学していることになる。この分だと
2008年に閣議決定した留学生30万人計画(2020年目標)の達成は確実といえそうだ。なぜ急激に留学生が増えたか。
その理由として、以下の4点が挙げられる。

(1)アメリカの高等教育機関よりもはるかに学費が安い。
(2)欧州の高等教育機関よりもはるかに就職がしやすい。
(3)欧米どちらの高等教育機関よりもはるかに卒業しやすい。
(4)デフレ下の円安で生活費がリーズナブル。

(続く)