【舛添要一の僭越ですが】 日本はすでに移民大国 さらに単純労働にも在留資格
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社会に受け入れる覚悟で開国を

 私は、20代でヨーロッパに留学し、外国人労働者が、劣悪な労働条件の下で人種差別を受けながら働いている状況を
つぶさに観察した。帰国後も、外国人労働者問題の研究を続け、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンなどに
現地調査に出かけたこともある。
 今日の我が国の状況を見ていると、1950〜60年代のヨーロッパと同様なのではないかと思う。

 半世紀前の日本は、朝鮮半島、台湾出身者などの在日外国人の問題はあっても、欧州で言うような外国人労働者や
移民の問題はほとんど存在しなかった。その日本を離れてパリで生活を始めた私は、アルジェリアやモロッコなど
北アフリカ出身の外国人労働者が道路清掃やゴミ収集、また建設現場で働いているのを見て、日本ではあまり見慣れ
ない光景に違和感を感じたものである。彼らに接するフランス人の侮蔑的な視線も忘れられない。
 ドイツやイギリスでも同様であった。ドイツでは、トルコ出身の外国人労働者を多く見かけたものである。

 「日本人は賢い。移民ではなくロボットを入れた」と欧州の企業経営者が、よく私に話してくれた。私は、ロボットは
開発に時間とカネがかかるが、労働者は手っ取り早く調達できるし即戦力になるので、欧州の人手不足解消策も一理ある
と応じた。
 すると、「ロボットと外国人労働者はどこが違うか分かるか」という問いが発せられ、「後者は子どもを産むし、
また労働組合を作る」という答えを教えてくれたのである。ロボットなら家族の帯同や子どもの出産はないし、もちろん
労組も結成しない。
(続く)