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 三橋氏は「技術や設備・機械への投資によって成長するのが資本主義。人手不足を『生産性向上のための投資』で埋めたとき、
経済成長の循環は回り始める。だから、移民受け入れに動いてはならない」と強調する。
 例えば、「骨太の方針で」人手不足の分野の一つと指摘された農業では、海外の事例が参考になる。米国ではいちご摘みロボット
の開発が急速に進んでいる。全米のいちご生産量の90%を占めるカリフォルニア州では、これまで収穫作業は、低賃金で働く
メキシコなど中南米からの移民によって支えられていた。しかし、トランプ大統領が厳しい移民政策を打ち出し、働き手が不足
する恐れが出てきた。実際、最近は好景気で日本円で2000円以上の時給を提示しても人が集まらない。そこで、あるロボットメー
カーがAIで最適な収穫時期を識別するロボットを開発し、今年1月から収穫実験を開始した。19年の商業化を目指しているという。
 米国ほど大がかりではないが、日本にも似たような取り組みは見られる。
     (中略)
 その一方で、人手不足の解決には高齢者と女性の活用が不可欠だ。厚生労働副大臣を務めた自民党の鴨下一郎衆院議員は
雑誌のインタビューで、「元気なお年寄りたちに介護の現場に参入してもらって、介護が必要になったときに、それまで貢献した分
を還元してもらう、いわゆる老老介護を推進していきたいと思っている。極端な例で言えば、80歳の人が70歳の人の介護をしたって
いい」と発言。介護分野での思い切った高齢者の活用を提唱する。
(続く)