低リテラシー愛国主義者(ネトウヨ)が生まれた背景と対策を議論しよう★2
http://hissi.org/read.php/occult/20151121/RGNOYjFRSHcw.html
日本における低リテラシー愛国主義者、いわゆるネトウヨというのは、世界的にそれほど珍しい存在ではなく、「先進国あるある」なのです。
もっと言わせていただくと、中進国にもいます。逆に、本当の先進国、つまり合理的かつ民主的な社会制度運営がなされている国では少ないのです。
ちなみに、彼らの定義は
・自民族(宗教・宗派であることもある)が優秀である(あるいは正義である)ことから、マイノリティーに対して優越感を抱いている
・経済的・人間関係的に社会から疎外されている
・教育水準はあまり高くない
・圧倒的に男性が多い(したがって、男尊女卑の考え方も強い)
・政治思想としては保守で、「伝統的な」社会への回帰を主張するが、彼らの抱く「伝統的な」社会のイメージは、あまり正確なものではない
(彼らの教育水準があまり高くないことに起因する)
・メディアや、一部の政治的オピニオンリーダーに扇動されやすい
皆さんの時代だと、ドイツの「ネオナチ」(今はドイツにはほとんどおらず、その亜種が東欧諸国に分散しています)もこれにあたります。
彼らは、「低成長と経済格差」が必然的に生み出した存在なのです。
現代では、所得の再分配と彼らの個別のケアが、社会全体の活性化とQOLの向上に役立ち、彼らのような不幸な存在をなるべく生み出さないために一番大事なことだとされています。
http://hissi.org/read.php/occult/20151110/U2NVaXhWZXEw.html
彼らの特徴は
・親から精神的に自立できていない
・職業訓練の機会を逸しており、経済力に乏しい
ですので、精神的自立を促すカウンセリング(親へのカウンセリングも実施します)、職業訓練の二本立てで行い、就職支援もします。
こういう人は根は真面目でプライドの高い(いい意味でも)人が多いので、多くの人が社会で活躍しています。
★1 https://hayabusa6.5ch.net/test/read.cgi/occult/1450106050/ http://www.miyadai.com/index.php?blogid=1&archive=2006-3-14
「排外主義的愛国主義者には低学歴か低所得が多い」というのは、本文にもございます通り、実証的な
データ分析の結果です。分析手順は、実際に博士論文を読んでいただきたく思います。
博士論文は公開されますので、じきに首都大学図書館で閲覧できるようになります。彼の博士論文は、
日本とアメリカとドイツとオーストラリアの四か国に限定して、多様なデータ分析をしています。
私の在職する大学で博士号を取得した田辺俊介君の博士論文『ナショナル・アイデンティティの概念構造の
国際比較』(2005)が、ISSP(国際社会調査プログラム)の1995年データを統計解析しています。それに
よるなら、排外的愛国主義にコミットするのは、日本に限らず、低所得ないし低学歴層に偏ります。
■要は『諸君』『正論』な言説の享受者は、リベラルな論壇誌のそれより、低所得か低学歴だということです。
この問題に、私が年来言ってきた「丸山眞男問題」を重ねられます。教育社会学者の竹内洋氏が最近
『丸山眞男の時代』(中公新書)を出しましたが、丸山の戦後啓蒙がなにゆえ今日この程度の影響力に
甘んじるのかを分析しています。この問いは姜尚中氏との共著『挑発する知』(双風舍)で私が述べたもの
と同じです。
■その答えを一口で言えば、丸山がインテリの頂点だったために、亜インテリ(竹内氏は疑似インテリと
表記しますが)の妬みを買ったから、となります。実は、この図式は、丸山自身が、戦時ファシズムへの
流れを翼賛した蓑田胸喜の日本主義的国粋主義の成り立ちを分析して示した図式と同じです。ご存じの通り、
丸山はマンハンム流の[知識人/大衆]二元図式を踏まえ、[インテリ/亜インテリ/大衆]三元図式を提案しました。
丸山眞男によれば、亜インテリこそが諸悪の根源です。日本的近代の齟齬は、すべて亜インテリに起因する
と言うのです。亜インテリとは、論壇誌を読んだり政治談義に耽ったりするのを好む割には、高学歴ではなく
低学歴、ないしアカデミック・ハイラーキーの低層に位置する者、ということになります。この者たちは、東大
法学部教授を頂点とするアカデミック・ハイラーキーの中で、絶えず「煮え湯を飲まされる」存在です。