>>68 ≪続き≫
 スファラディ・ユダヤ人は震え上がった。そしてその犯人はアラブ人たちであるとデマを流したのである。
 こうして彼らはイスラエルに行かざるを得ないという状況になったのである。
 ヨーロッパから来たユダヤ人に対しては、イスラエル政府は各自の家を提供したが、イラクから帰ってきた私たちに与え
られたのはテントであった。」

 「エチオピアのユダヤ人たちのことも述べておくべきであろう。ファラシャ(エチオピアに住むユダヤ人の呼称)のことである。
 アシュケナジー・ユダヤ人たちはイスラエルにおいて彼らの皮膚が白くないとして毛嫌いしている。50年の間、エチオピア
において彼らはイスラエルに行きたいと思い続けていたが、アシュケナジー・ユダヤ人は彼らをイスラエルへ連れて行かな
かったのである。どうしてだろうかと尋ねたが、彼らの皮膚が黒い、そしてもし彼らが来て、あなたの娘が彼らと歩くことを
あなたは良しとするか……と尋ねられたのを思い出す。
       (中略)
 今日、ロシアから移民たちがイスラエルに入ってきている。彼らには住居、その他の仕事も与えられているのに対して、
エチオピアからのユダヤ人たちには住居すら無い状況である。
 このようなことが真実なのである。もはやイスラエルは本当のユダヤ人の国ではないことがわかるであろう。イスラエルの
国はなお人種というものに大きな問題を持っている。私たちはそのようなすべての人種的差別と戦わなければならないの
である。まことに残念なことであるが、イスラエルは人種差別国家なのである。
       (中略)
 今、ロシアからユダヤ人が帰って来たという話をしたが、その半分はユダヤ人ではない。帰って来て追い出すわけには
いかなくなっている。ロシアで貧しいからロシアから出たい。ただそれだけでイスラエルに来たのである。彼らは今自分が
ユダヤ人ですと言ったがゆえに苦しんでいるとのことである。まさにジョークといわざるを得ない。
 このような真実はなかなか日本の方々には伝わらないかもしれない。しかし、非常に重要なことであることを覚えておいて
いただきたいのである。」