慰安婦訴訟は却下...時間が解決しない日本と韓国の歴史問題にバイデンはどう出る?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/04/post-96186.php
4月21日、満員の法廷で予想外の判決が下された。2016年12月に李を含む元「従軍慰安婦」20人とその家族が日本政府に
損害賠償を求めた民事訴訟で、原告の訴えが却下されたのだ。

元慰安婦や歴史家によると、日本軍は第2次大戦中に韓国を植民地支配していた間に、数十万人のアジア人女性と少女
(その大部分は韓国人)を強姦し、奴隷にし、不妊手術をし、拷問して殺害した。76年後の現在、認定されている生存者は、
当時10代だった李を含むわずか15人だ。

米政府は今回の裁判についても慰安婦問題をめぐる直近の日韓の緊張についてもコメントしていない。だが「バラク・オバマ
元大統領が韓国に対日関係改善の圧力をかけた」ように、バイデンも日韓関係の修復に向けて外交圧力をかけるだろうと、
高麗大学の政治学教授・李信和(イ・シンファ)はみる。

バイデンは就任まもない今年3月、国務長官と国防長官を東京とソウルに派遣し、国外での最初の外交会談を行わせた。
バイデン政権の「閣僚級高官の最初の外遊先に日本と韓国を選んだのはただの偶然ではない」と、アントニー・ブリンケン
国務長官は3月17日にソウルで語った。

「こうした歴史問題をただの脇筋のように言うのは間違いだ」と、オバマ政権時代に副大統領だったバイデンの安全保障
スタッフを務めたジェイコブ・ストークスは言う。「どんな地域秩序を構築すべきかを根本的に考えるには、歴史問題は看過
できない」

日韓のしこりとなっている歴史問題にどう対処すべきか、そもそも対処すべきか否か、米政府は決めかねていると、専門家は
指摘する。