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橋史朗 36 – ユネスコ「世界の記憶」の制度改善とラムザイヤー論文問題
https://www.moralogy.jp/salon210428-1/
 中国がユネスコ「世界の記憶」プログラムとして登録申請した「南京大虐殺」資料が、2015年10月4日からアラブ首長国連邦
の首都アブダビで開催されたユネスコ「世界の記憶」国際諮問委員会(IAC)で登録されてしまった。この日本外交の大失態の
教訓を踏まえて、9か国が申請した「慰安婦」資料の登録を阻止するために、制度改善をユネスコに働きかけてきた。

 昨年9月から今年の3月まで32人で構成される作業部会が6回開催されたことを踏まえて、ユネスコ事務局から依頼された
専門家が「対話」の調整に乗り出した。これは、2015年8月23日に日本の保守系団体が共同申請側との対話を要請する
公開状をユネスコに送り、10月19日に慰安婦資料の登録に反対する声明「日本の学者100名の声」がユネスコに送られ、
国際諮問委員会に「慰安婦」資料審査の見送りと対話の機会提供を要請したことを受けたものである。
 4月15日に開催されたユネスコ執行委員会で、制度改善案が全会一致で決定され、加盟国は申請内容をめぐって異議申し
立てができ、異議が出た申請は関係国が期限を設けずに対話を行うことになった。

「慰安婦の声」共同申請文書の具体的内容については、自ら資料を登録申請し、9か国の共同申請をリードしたと思われる
吉見義明氏らの日本の学者グループと「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)並びに日米4団体との対話がまず必要になるが、
彼らは「歴史修正主義者」を「対話の相手」として扱ったこと自体に「憤りと抗議」の意を表明しており、対話を呼びかけても
応じない可能性が高い。

(続く)